気がつけば春の季節からあっという間に半年。4月からは半期をまもなく迎えます。
このコロナ禍で、アクセルとブレーキを踏むような歯がゆい思いの中、「なんとか生き延びてきた」そんな感覚に近いのではないかと思います。緊急事態宣言に伴う外出自粛。その後の度重なる規制や抑制の中、外食産業は感染対策を施し、行政の要請に応え、店舗を再開、持続させるために一生懸命であったに違いありません。けれども、お客様も売上も、コロナ前に戻ったところはほんの一握り。デリバリーやテイクアウトを仕込んでいた一部チェーン店や、固定客で地域に密着していた店舗は、お客様同行も平行に推移している。全体像の同行だけで、市場を捉えるのは難しいところです。
さて、このように少し振り返りができる段階にたって、これからの飲料・食品はどのように進んでいくのでしょうか。折しも今年は2020年であり、5年に一度の国勢調査の年。人口推計の結果は来年には速報が明らかにされるでしょうが、少子高齢化は進み、生産年齢人口は相変わらず雇用に比べ少なく、労働と介護の担い手不足はますます深刻化していくことでしょう。
けれども、過去のあった戦争や東日本大震災のような、一時期に突然、人口が失われるようなことがない限り、人口は急激に、一時に失われることはありません。一方で、人間は生きていくために「食べる」ことは欠かせません。
このコロナ禍の半年の間に、人間は「たべ続けていた」のです。
「外食」から「家食」へのシフト
・外食の消費支出(二人以上世帯)は前年同月比35.5%減少
・食料支出(二人世帯以上)のうち、果物加工品17.4%増、酒類16.2%増、麺類15.7%増、生鮮肉10.2%増
総務省 家計調査報告 2020年6月
「コンビニ食」から「手作り」へのシフト
7月コンビニ売上高7%減 長雨響きマイナス幅拡大
日本フランチャイズチェーン協会が20日発表した7月のコンビニエンスストア売上高は、既存店ベースで前年同月比7.4%減の8656億円だった。5カ月連続のマイナス。新型コロナウイルスの影響に長雨が重なって来店客が減り、6月(5.2%減)よりもマイナス幅が拡大した。
時事通信 2020年08月20日
「手間抜き料理」から「手間暇かける料理」へのシフト
2020年上半期のトレンド料理ワード大賞は「ホットケーキミックス」~「おうち時間」による需要増や菓子作りの広がりで検索は昨年比3倍~
アイランド株式会社 2020年上半期のトレンド料理ワード大賞
生きるために欲する食欲と、生命の源であるエネルギー源は、今まであったところから「どこか」へシフトしただけなのです。
さて、こうした消費者の食をめぐる行動変容を、「取り戻す」のか「取りに行くのか」。「ピンチ」とみるか「チャンス」と見るか。少なくとも「今の業態のまま、お客様を待つ」ことは、持して死を待つ戦術でしかなく、「調査▶準備▶仕組み」が必要。
変えなければ行けないことが、一気に今やってきただけと考えれば、やるべきことははっきりしている。
胃袋は「オンライン」じゃない。今そこに、今日も、今も、存在しているのです。「食欲」という生きる源が…。