欲望とデジタルの融合マーケティング

タピオカの次に来るものはなにか?

トレンドはつくられるものではない

 次のトレンドをいち早くキャッチして、トレンドの波に乗りたい。誰もがそう思うことでしょう。次のヒット商品はどこにあるのか、血眼になって探し、ダイヤモンドの原石を見つけたいと思うのは、自然なことです。

 けれども、ダイヤの原石は、本当にこの世の中に実在するでしょうか。いや、神話の世界で幻かもしれませんし、私達には「ほんとうにふつうの石」に見えていて見過ごされているのかもしれません。

 これまで流行してきたものを振り返れば、仕掛けたものはことごとく短命に終わり、自然発生的で、かつエリアや属性で濃密なコミュニケーションが展開されているものが、マスメディアやSNSのコミュニケーションに載ったとき、水平展開のスピードは今まで以上にスピーディになっています。

 したがって、「原石」を見つけることよりも、「変化」に着目することで、マス市場を狙うことのほうがはるかに重要なわけです。

日本のスイーツトレンドは「食感」の歴史である

 これまで、国民的な人気を得たスイーツを振り返ってみれば、それはどれも「食感」に特徴があったと言えるでしょう。タピオカだけでなく、ナタデココやかき氷、チーズケーキなど、どれも「固さ」や「弾力」「やわらかさ」に独自の特徴を持っていたものです。

 食感については、日本人はうどんのコシやパスタのアルデンテにこだわりを持つように、複雑で細やかな差を食文化に内包してきた日本人ですから、これらは「素材」の特徴に任せて、むしろ「味」の変遷に着目するほうが得策といえるでしょう。

消費者心理の中に、次の味が見え隠れする

 オリンピックイヤーという本来ならばお祝いムードの前向きな気分を打ち消すかのように、昨年の消費税増税、働き方改革に伴う雇用への不安、年金と将来の貯蓄に対する不安、加えて世界中で感染拡大が懸念される新型コロナウイルスなど、取り巻く市場環境において、共通しているのは「不安感」です。

 こうした漠然とした将来が見えないときに、人はどんな心理になるでしょうか。人間は不安や落ち着かないとき、脈拍が上がり、呼吸は浅く、酸素が十分取り込まれなければ、脳にも行き届かなくなり、結果として「落ち着いて考えること」が難しくなるでしょう。それがさらに不安感の増殖に拍車をかけ、「マイナス」な感情に消費動向を寄せていくことになります。

 負の感情を落ち着かせたり、打ち消したりするには、味覚で言えば「刺激」や「辛さ」などで気分を相殺させようとするかもしれませんし、すっきり気持ちを切り替えたいために「苦味」によって心理的スイッチを求めるかもしれません。

 そうであるならば、タピオカの次に来るものはなにか。なんとなく見えてくる気がしませんか?

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