コロナ禍の先にある消費

「食品」の前にある”イメージ”を買う

人間の3大欲求の1つと言われる「食欲」

生きていくのに欠かせない「食」

それゆえに、飲食店や飲食メーカーは、「まあ売れなくなることはない」という見通しを少なからず持っていたかも知れません。けれども、このコロナ渦の状況下において、「売り場」という消費者との接点であり、出口が半ば強制的に封鎖されたようなもの。

外出自粛要請で、お店にたどり着く頻度と回数と人数が減り、営業自粛要請で、接触回数が減るため、認知率や想起率は下がる一方。こんなときに強いのは、かつてからの「ロングセラー」です。

棚にあふれる商品や、魅力的なパッケージを眺めることもないわけですから、消費者の多くは「食べたことのある味」を想起し、「また食べたい」という衝動にかられ、「あの味を食べることで安心を得たい」と」思うのです。それは、食における「イメージ」こそが、購買を後押しするということ。

チラシと言った広告や、店頭販促ができない状況であるからこそ、いかに商品を知り、比較検討し、購入の上で評価する。この消費行動におけるカスタマージャーニーのしっかり作り込めていない商品は、おそらく消費の選択肢にさえ登らない世界に陥ることでしょう。

したがって、「目立つ」広告や、「きれいな」パッケージといった施策は機能しなくなり、「わかりやすい」文章や、「ストレスのない」買い方を作ることができるかが、これからの「消費」を牽引することになるでしょう。

売上減、客単価増

2020年3月の飲食店の状況で、一つの特徴は、「売上減、客単価増」です。

日本マクドナルドは6日、3月の既存店売上高が前年同月に比べ0.1%減ったと発表した。前年実績を下回ったのは52カ月ぶり。新型コロナウイルスの感染が日本国内でも広がり、消費者が混雑した場所を避ける動きが影響した。

客数は前年同月比7.7%減で大幅に落ち込んだ。特に東京都や大阪府などが外出自粛を要請した3月下旬以降の客足に影響が出た。

一方で客単価は8.3%増だった。3月上旬の小中学校、高校の休校で家族連れなどグループでの利用が目立ったためという。もともとまとめ買いの傾向が強いドライブスルーや宅配の伸びも客単価を押し上げた。

日本経済新聞 2020年4月6日

 営業日数、営業時間ともに減っているので、売上がさがり、客数が下がるのは当然。ポイントは客単価の増加。ウーバーイーツをはじめとする配達も好調で、自社デリバリーだけでなく、オンラインで注文するお客様も増えている状況。

  • 並んで買わないので、早く決めなきゃというプレッシャーがない
  • ポチポチとメニューを選び、合計金額が出てから離脱が少ない
  • クレジット決済のため、手許現金の制約がないため、購買を後押し

これらの消費の兆しを見ていても、外出自粛はたとえ解除されるとしても、もはや2月頃からの自粛から、6月~7月頃までで既に半年。消費者の中にあるイメージのほとんどは、商品へのファンやロイヤリティが形成されていないものいついては、認知ゼロと考えても過言ではありません。

消費者に商品を売るための手法は、おおよそ20年スパンで変遷してきました。その際重要なことは、「だれ」が「どこで」お墨付きを与えるかということです。

1970年代の「テレビ」を中心とした「芸能人」がおすすめすれば売れた時代

1990年代は、「雑誌」を中心として「料理人・料理研究家」がおすすめすれば売れた時代。

2010年代は、「ネット」を中心として「インフルエンサー」が口コミによって売れた時代。

今は2020年。いまだアフィリエイトによる販売は伸びていますし、SNSを通した #PR タグも堅調に推移

ただ、テレビ制作自体がこのコロナ渦の影響で、制作から放映まで一気にコンテンツ不足に陥ったことから、芸能人を中心に大量にYouTubeに流れて生きているのは事実。消費者との接点における力学がガラリと変わるのも、このコロナ渦がきっかけとなるかもしれません。

コロナ渦のさきにあるもの。それは、慣習や前例で変えられなかった未来の可能性が、実現性に一気に変わる時代といっても過言ではないのです。

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